創業60年を超える段ボール箱・化粧箱などの製造で培われた経験と技術の蓄積で、オーダーメイドを主体にした、多品種に渡る段ボール箱を製造する「平林パッケージ」が、段ボールの構造や材質について紹介します。
段ボールは、基本3つの構造になっていて、表と裏のライナと呼ばれる原紙と、それに挟まれた波型に成型された中芯原紙からできています。
段ボールの断面を見てみると、波型が連なっていることがわかります。
この三角形の連なりこそが段ボールの強度の秘密で、「トラス構造」といわれます。
建築でも用いられる構造で、三角形は頂点に力が加わっても左右に力が分散され、強度・安定性を保つことができるのです。
このような構造をもち強度に長けた段ボールは、原紙の材質やフルートの厚みなどによっても多くの種類があり、梱包物によって使い分けられています。
ライナとは、段ボールの表裏に使用される原紙のこと。
古紙の含有率が多いものやバージンパルプを含んだ原紙などからなり、1平方メートルあたりの重さによって、その強度も異なってきます。
Cライナ | ||
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C5 | 150~160g/ 平方メートル |
古紙含有率90%以上のライナです。 比較的軽量の商品を梱包するときや、中仕切り・パットなどに利用されることが多いです。 |
C6 | 160~170g/ 平方メートル |
C5より強度は強くなりますが、古紙を主体に作られたライナです。 最近ではK5で代用されることも多いです。 |
Kライナ | ||
K5 | 170~180g/ 平方メートル |
バージンパルプを約30%含んだライナです。 比較的小さく、壊れやすいものなどの梱包に適し、外装の印刷もきれいに仕上がります。 |
K6 | 210~220g/ 平方メートル |
バージンパルプを約30%含んだライナです。 K5より強度が強く、段ボール箱を積んだときにも天面が潰れにくく、特殊形状の段ボール箱にも向いています。 |
K7 | 280 g/ 平方メートル |
バージンパルプを約30%含んだライナです。 重量のある商品や輸出用の段ボール箱として利用される、強度に優れた段ボールです。 |
段ボールのライナに挟まれた、波型の中芯をフルートといいます。
JIS規格では、段ボール30cmあたりの波型の数や厚さによって種類が異なり、フルートが厚いほうが強度が強くなります。
Aフルート | 一般的な段ボールで、青果用や引越用など、中軽量物の梱包に多く使われています。 段ボールの厚さは約5mm(4.5~4.8mm)、波型が30cm内に34±2個あります。 |
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Bフルート | Aフルートとよりやや強度は低く、小さく軽量なものや内箱、外箱、機械の緩衝材、ディスプレイ商材などに使われます。 段ボールの厚さは約3mm(2.5~2.8mm)、波型が30cm内に50±2個あります。 |
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Wフルート | AフルートとBフルートを貼り合わせたような構造をもち、分厚く頑丈で、大きな箱や重量物の梱包など輸出用に多く使用されます。 段ボールの厚さは約8mmです。 |
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Eフルート | 軽量物の梱包に使用され、内箱やギフト用の外装箱、化粧箱などに多く使われています。 段ボールの厚さは約1.5mm、波型が30cm内に95個が目安です。 |
※「±」とは、JIS規格で前後2個までの差分が許容されています
片面 段ボール |
1枚のライナに波型の中芯原紙を貼り合わせたもので、このまま段ボール箱として使用されることはほとんどなく、緩衝材や固定材として利用されます。 | |
両面 段ボール |
2枚(表・裏)のライナに波型の中芯原紙を貼り合わせたもので、最も一般的な段ボール構造として、世界的に使用されています。 | |
複両面 段ボール |
両面段ボールの片側に片面段ボールを貼り合わせたようなWフルート構造をもっています。 強度に優れ、重量物や輸出用、長期保存必要な段ボール箱に使用されます。 |